過去の土砂災害事例

グラフを見ると、毎年、1,500件前後の土砂災害が発生していることが分かります。
あわせて、過去に多くの人的被害・家屋被害をもたらした3つの土砂災害事例を紹介しましょう。

土砂災害発生件数の推移(2013年~2020年)

土砂災害発生件数の推移(2013年~2020年)内訳をみると、「がけ崩れ」が多いことがわかります

出典:国土交通省ウェブサイト
砂防部「土砂災害」のデータを基に損害保険料率算出機構作成

災害事例1 平成30年7月豪雨(2018年6月28日~7月8日)
〔西日本を中心に広い範囲で大雨〕

全国での被害状況

  • 土砂災害発生件数 2,581件(がけ崩れ:1,734件、地すべり:56件、土石流等:791件)
  • 罹災建物数※ (全壊~床下浸水)50,470棟
  • 被害者数※ 〔死者・行方不明者〕245名/〔負傷者〕433名
【概要】
前線や台風第7号の影響により西日本を中心に全国的に広い範囲で⾧期間にわたる大雨をもたらした。
河川の氾濫や土砂災害等が発生し、死者・行方不明者が多数となる甚大な災害となった。
【特に被害が大きかった地域】
広島県・岡山県 等
【降雨量】
1日あたり最大雨量  691.5ミリ(高知県安芸郡馬路村)
1時間あたり最大雨量 129.0ミリ(沖縄県宮古郡多良間村)

災害事例2 令和元年東日本台風・低気圧(2019年10月10日~10月13日、10月24日~10月26日)
〔東日本を中心に大雨、台風に伴う土砂災害で過去最多を記録〕

全国での被害状況

  • 土砂災害発生件数 952件(がけ崩れ:501件、地すべり:44件、土石流等:407件)
  • 罹災建物数※ (全壊~床下浸水)105,699棟
  • 被害者数※ 〔死者・行方不明者〕121名/〔負傷者〕388名
【概要】
大型で非常に勢力が強い台風が上陸し、東日本を中心に広い範囲で記録的な大雨をもたらした。
広い範囲で土砂・洪水氾濫が発生したほか、暴風等により人的被害やライフラインへの被害が発生した。
【特に被害が大きかった地域】
福島県・宮城県 等
【降雨量】
1日あたり最大雨量  942.5ミリ(神奈川県足柄下郡箱根町)
1時間あたり最大雨量  95.0ミリ(岩手県下閉伊郡普代村)

災害事例3 令和2年7月豪雨(2020年7月3日~7月31日)
〔全国の広い範囲で大雨、過去最大クラスの広域災害〕

全国での被害状況

  • 土砂災害発生件数 961件(がけ崩れ:709件、地すべり:74件、土石流等:178件)
  • 罹災建物数※ (全壊~床下浸水)16,285棟
  • 被害者数※ 〔死者・行方不明者〕88名/〔負傷者〕82名
【概要】
梅雨前線の停滞により、西日本・東日本の各地に大雨をもたらした。
⾧野県や高知県の多い所で 2,000 ミリ、岐阜県では1,800ミリを超える総降水量を記録するとともに、九州・東海・東北地方の多くの観測地点において24、48、72 時間降水量が観測史上記録を更新した。
全国の広い範囲で土砂災害が発生し、都道府県数は過去最大の37府県にわたる。
【特に被害が大きかった地域】
熊本県・福岡県・大分県 等
【降雨量】
1日あたり最大雨量  497.0ミリ(大分県日田市)
1時間あたり最大雨量 109.5ミリ(鹿児島県鹿屋市)

※ 罹災建物数および被害者数は、土砂災害を含む「自然災害による総数」である。
出典:内閣府、気象庁、国土交通省の各ウェブサイトなどの情報を基に作成

土砂災害は本当に恐ろしい。あらためて、なぜこのようなことが起きるのか考えてみましょう。