保険を販売(契約)する時点では、事故がどの程度発生するのか、また、発生したときに支払う保険金がいくらになるのか分かりません。では、保険料をいくらに設定すればよいのか、保険料率※として、基準料率と参考純率を算出するのが私たちの役割です。具体的には、会員保険会社から収集した過去の保険料・保険金などのデータをもとに、将来の保険金支払いに影響を及ぼし得る要素(交通事故の傾向等)を考慮し、将来の事故の支払額を計算します。
また、自然災害については、発生頻度が低く不規則であるため、適切な保険料率を算出するには、これまで蓄積されたデータでは十分ではありません。そこで、外部専門家を交えた研究会を通して、リスク評価に関する技術的アドバイス等の提供を受けている他、シミュレーション等を用いて、保険料率を算出しています。
※保険料率とは
保険会社等からの依頼に基づき、自賠責保険※の損害調査を公正かつ中立的な立場で行い、その結果を保険会社に報告しています。具体的には、事故の発生状況、支払いの的確性(自賠責保険の対象となる事故かどうか、また、傷害等による損害と事故との間に因果関係があるかどうか等)、および発生した損害の額等を調査しています。また、その中でも、高度な専門的知識が要求され、判断が困難な事案等は、審査の公平性・客観性を確保するため、弁護士・専門医・交通法学者等、外部の専門家を交え、審査を行っています。
料率算出業務・損害調査業務を通じて日々蓄積される大量の保険データやこれまで培ってきたノウハウをもとに、会員保険会社だけでなく官公庁、有識者、消費者等に対し、損害保険に関するデータバンクとしての機能を果たしています。具体的には、収集した保険データを基に、保険統計を作成し、会員保険会社に提供しているほか、ウェブサイトを通じて公表しています。また、国内外の保険制度の動向や、損害調査に関わる法令・判例、医療動向といった最新の情報の調査研究も実施しています。