傷害保険参考純率

傷害保険は、一般的に、急激・偶然・外来の事故により傷害を被った結果、死亡した場合、後遺障害が生じた場合、入院・通院した場合などに保険金が支払われる保険です。

普通傷害保険・
家族傷害保険

傷害

  • 日常生活のなかで起こった事故

など

交通事故傷害保険・
ファミリー交通傷害保険

交通事故

  • 交通事故や乗り物の火災

など

国内旅行傷害保険・
海外旅行傷害保険

旅行傷害保険

  • 旅行している間の事故

など

傷害保険参考純率の改定背景等

当機構では傷害保険の参考純率を算出しています

参考純率とは、料率算出団体が算出する純保険料率のことです。当機構では料率算出団体として、会員保険会社から収集した大量の契約・支払データのほか、各種の外部データも活用して傷害保険の参考純率を算出し、会員保険会社に提供しています。

会員保険会社は、自社の保険料率を算出する際の基礎として、参考純率を使用することができます。付加保険料率部分については、保険会社が独自に算出します。

当機構では傷害保険の参考純率を算出しています

当機構では傷害保険の参考純率を算出しています

傷害保険参考純率ではリスクに応じた料率区分を設定しています

普通傷害保険および家族傷害保険では、補償の対象者がどのような職種についているかによって、傷害を被るリスクが異なります。このようなことから、これらの保険では、職種によるリスクの差異に応じた区分を設けており、個々の補償の対象者によって保険料率が異なります。

また、国内旅行傷害保険や海外旅行傷害保険では、旅行期間に応じてそのリスクが異なります。このようなことから、旅行期間によるリスクの差異に応じた区分を設けており、個々の補償の対象者によって保険料率が異なります。

普通傷害保険等の料率区分の例:職種

職種に応じてリスクが異なるため、区分を設けています。

従事者

事務従事者 販売従事者
保健医療従事者

など

農林業作業者 漁業作業者 自動車運転者 建設作業者

農林業作業者 漁業作業者
自動車運転者 建設作業者

など

国内旅行傷害保険等の料率区分の例:旅行期間

旅行期間に応じてリスクが異なるため、区分を設けています。

旅行期間

旅行期間

合理的な手法を用いて適正な参考純率を算出しています

当機構では、会員保険会社から報告された契約・支払いに関する大量のデータを基に均質な保険統計を作成し、これを分析するとともに、社会環境の変化を考慮したうえで、保険数理などの合理的な手法を用いて傷害保険参考純率の算出を行っています。

社会環境の変化を考慮した上で、参考純率を算出する

社会環境の変化を考慮した上で、参考純率を算出する

その後、金融庁長官に、算出した傷害保険参考純率の届出を行い、参考純率が「保険料率の3つの原則」に適合していることについて審査を受けます。これを適合性審査といいます。

会員保険会社は、「保険料率の3つの原則」に適合している旨の通知のあった参考純率を使用することができます。参考純率を使用している部分は「保険料率の3つの原則」に適合していることを勘案して金融庁長官の審査を受けることになります。

1、参考純率の届出 2、参考純率の提供 3、適合性審査 4、審査結果の通知 5、自社商品について認可申請または届出

1、参考純率の届出 2、参考純率の提供 3、適合性審査 4、審査結果の通知 5、自社商品について認可申請または届出

毎年度検証を行い、改定の必要があれば参考純率の改定の届出を行います

参考純率は、算出した時点では適正であっても社会環境の変化などによりリスクの実態が変化するため、いつまでも適正な水準であるとは限りません。このため、参考純率が適正な水準であるか否かについて、毎年度チェックをしており、これを「検証」といいます。この検証の結果、改定の必要があれば参考純率の改定の届出を行います。

検証

検証

当機構が参考純率を算出している保険は、広く生活・経済に密着した保険種類であることを踏まえ、参考純率の透明性を高める観点から、2009年度以降、参考純率の改定内容・趣旨等について、ウェブサイトにてお知らせすることとしています。

ただし、参考純率自体は、使用義務のない参考数値であり、また、実際に保険契約者に適用される保険料とは異なること等から、開示を行っていません。ご了承ください。

2018年5月21日金融庁長官への届出(2018年6月15日適合性審査結果通知受領)

2016年3月9日金融庁長官への届出(2016年3月25日適合性審査結果通知受領)

2014年4月28日金融庁長官への届出(2014年5月23日適合性審査結果通知受領)

2012年5月25日金融庁長官への届出(2012年6月13日適合性審査結果通知受領)

2009年5月19日金融庁長官への届出(2009年5月25日適合性審査結果通知受領)

当機構では傷害保険の標準約款も作成しています

当機構では、傷害保険の参考純率を算出するにあたって、その前提となる補償内容や保険金が支払われる条件などについても定めています。これを保険約款という形で示したものを傷害保険標準約款といいます。

傷害保険の概況

当機構で作成している「傷害保険の概況」

「傷害保険の概況」では、傷害保険に関する仕組みや一般的な補償内容、収支動向などについて、詳細に記載しています。こちらもあわせてご覧ください。

保険まめ知識

損害保険の価格とは

損害保険は「将来、事故が発生したときに保険金を支払う」という商品です。契約者が支払う保険料が「損害保険の価格」に該当します。損害保険という商品は、一般的な商品とは異なり、保険を販売(契約)する時点では支払う保険金があらかじめ定まっていないという点に特徴があります。それではどのように保険料(損害保険の価格)を決定するのでしょうか?

将来、事故が発生したときに支払う保険金に充てられる保険料(純保険料率)は、過去の保険データをもとに、科学的・工学的手法や保険数理などの合理的な手法を用いて、将来の事故の支払額を計算することによって、将来の保険金の支払いに過不足がないように算出しています。この点が、保険料を決定するうえでの難しさであり、料率算出団体である当機構が担う役割でもあります。

料率算出団体とは

「損害保険料率算出団体に関する法律」(料団法)に基づき、公正な保険料率の算出の基礎とし得る参考純率・基準料率を算出するために設立された団体です。

保険料率とは

傷害保険の保険料率とは、保険金額に対する保険料の割合を表し、保険料は保険金額に比例します。

保険料率は、純保険料率(事故が発生したときに、保険会社が支払う保険金に充てられる部分)と、付加保険料率(保険会社が保険事業を行うために必要な経費などに充てられる部分)に分けられます。

保険約款とは

保険約款とは、補償内容、保険金が支払われる場合の条件、支払われる金額の計算方法などを定めた資料です。

急激とは

急激とは、事故から傷害までの過程が直接的で、時間的な間隔がないことをいいます。

例えば、長時間のピクニックによる靴擦れは含みません。

偶然とは

偶然とは、事故の原因や結果を予知できない状態であることをいいます。

例えば、故意に被った傷害は含みません。

外来とは

外来とは、傷害の原因が補償の対象者の身体の外部にあることをいいます。

例えば、疾病は含みません。

普通傷害保険・家族傷害保険の概要

国内・国外を問わず、家庭内、職場内、学校内、通勤通学途上および旅行中など、日常生活のなかで起こるさまざまな傷害を補償します。

普通傷害保険は個人を、家族傷害保険は家族を、それぞれ補償の対象とします。

交通事故傷害保険・ファミリー交通傷害保険の概要

国内・国外を問わず、主として交通事故による傷害を補償する保険です。また、乗り物の火災による傷害も対象としています。

交通事故傷害保険は個人を、ファミリー交通傷害保険は家族を、それぞれ補償の対象とします。

国内旅行傷害保険・海外旅行傷害保険の概要

旅行中(旅行の目的のために家を出発してから帰宅するまでの間)の傷害を補償する保険です。

海外旅行傷害保険では旅行中の疾病による治療費用や死亡などについても補償します。

保険料率の3つの原則とは

損害保険料率算出団体に関する法律第8条において「合理的かつ妥当なものでなければならず、また、不当に差別的なものであつてはならない」と規定されています。

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